BE-PALという雑誌
いま私の手元にBE-PALという雑誌の創刊号があります。1981年7月に創刊されたアウトドア雑誌です。これは現在も刊行されているのでご存じの方も多いでしょう
- 私の北の国からとのつき合いは思えばこのころから始まりました。昭和でいえば56年。高度成長も一段落、しかし経済はまだ安定していました。そして人々はがむしゃらに働いてきた時代を通り過ぎ、何かゆとりを求め始めていた頃だったと思います。。
- 私はその一年前に大学を卒業して都会の会社に勤め始めたものの、都会での生活にほとほと疲れてしまっていました。会社は半年で辞め帰郷しました。帰郷の折りにはお金もなく夜行のフェリーで一晩かけて地元の港まで帰ってきました。夜中にフェリーのデッキに立ち、半年間でたまった仕事先からもらった名刺をデッキから海に全部捨てました。家に近づくにつれ匂い始めたくさいきれを今も良く覚えています。両親も友達も暖かく私を迎えてくれました。
- 数日後、大学の教授のところを訪ね、せっかく紹介してもらった会社を辞めたこと、そしてその理由、それから何か地元に就職口がないかという旨をお話ししました。そして地元の中堅企業のエンジニアの口を紹介してもらいました。
- そして一年がすぎようとしていた頃でした。寮に住みエンジニアとして仕事をしていました。仕事もそれほどきつくなく、何かアウトドアの趣味でも持ちたいな、と思っていた矢先でした。
- 当時、アウトドアという言葉自体まだ一般的ではありません。そしてそんな雑誌もまだ余り無い頃でした。昔から山や河が好きで、裏山を探索したり、河で魚を捕ったり泳いだり、何かそういう懐古への欲求が日増しに強くなってきていました。
- そんなある日、たまたま本屋さんで見つけたのが、そのPE-PALの創刊号でした。